研究紹介

妊孕性に関する研究

「妊娠するちから」である妊孕性をキーワードにして、男女の妊孕性のとらえ方の特徴や妊孕性を活かしたキャリア形成支援について研究しています。生殖年齢にある男女が「子どもをもつこと」を考えた生活を実現できるよういろんな側面から取り組んでいこうと考えています。

妊孕性の自己認識

現在、多くの人々が「子どもは欲しい」と思っていますが、子どもを持つ年齢は年々上昇しています。不妊治療による子どもの出生も年々増加していますが、その医療費の高騰が子どもを持ちたい世代に大きくのしかかっています。

なぜ人は子どもが欲しいと思っているのに、産み始める年齢は年々遅くなっているのでしょうか?様々な研究により、子どもを産むことへの要因が明らかとなっていますが、20歳代女性たちは「私はきっと子どもは産める」と考え、子どもが産めない状況などは全く予想していないことが明らかになりました。一方男性では、不妊男性に対する当分野でのこれまでの研究によれば、不妊男性の多くが「自分が不妊であるとは思わなかった」と話し、不妊である状況に心身ともに打ちのめされている状況が明らかとなっています。

このように「自分たちの妊孕性をどのようにとらえているのか」を明らかにすることは、自分の生涯計画を考える上でとても重要であると考えます。

当分野で取り組んでいる研究課題

生殖年齢にある男女の妊孕性の認識と認識に関連する因子を明らかにし、日本の生殖年齢層の特徴を明らかにしていきたいと考えています。またこれを基にした「子どもを持つこと」を考えに入れた男女のライフデザイン支援について考えてきます。

研究成果

  • 無精子症の診断を受けた時の思い~精巣内精子採取術・顕微強化精巣内精子採取術を選択した男性の語りから~
    山口典子,中村康香, 跡上富美, 吉沢豊予子, 日本母性看護学会誌, 16(1), 49-56, 2016
  • 20歳代未婚女性がとらえる自らの妊孕力自己認識
    須原涼子,跡上富美,アンガホッファ司寿子,川尻舞衣子,武石陽子,中村康香,吉沢豊予子:,母性衛生、掲載予定
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